モバイル68で行こう! つれづれの4(不定期掲載) 編集部:あいはら
<インターミッション> うちのメビウス子ちゃんの液晶パネルが壊れてしまい、モバイル度が下がりま くっている。音楽関係でいろいろとやらにゃならんので、私の机上の模様替え& 電源の再配線を行ったのだが、その際、会社でのメビウス子ちゃんのデフォルト ポジションを体の右側(以前は左側)になるように暫定的に配置したら、なんか 体の注意深さの感覚が左右で違うらしく(私は左利きだ)、いきなり机から落と してしまう、という失態をやらかした。 その後1日ほどして、液晶が割れていたのがわかり、十文字に白く輝く映らな い帯が、幾筋もできていたのを見た時は、さすがにまいってしまった。ガーン。 というわけで、締切間際なのに、やれ見積りだバックアップだと、必要以上に 忙しくなってしまったりしている。これが普通の会社ならヒマそうにしているヤ ツをとっ捕まえて「ちょっくらビッ●パソコン館まで行ってイメージバックアッ プソフトを買って来てくれんかのぅ、もちろん、100人に1人はタダというキャ ンペーンをやってるという話だから、お金は渡さないよ~。あと修理の見積り取 るのお願いね~」ですむ(んなわけないか)のだろうが、運は悪いし仕方なく自 分で買いに行かねばならないのだ。しかし、こういう運の悪い時には何やっても 結果が伴わないからなあ。 <デジタル音楽ソリューション> ま、くよくよしても始まらない。今月は、ちょっと変わったデバイスを取り付 けてみるとしよう。ローランドからUA(女性ボーカリストのUAではなくて) シリーズというデバイスが出ている。これは、[U]sb [A]udio の略でつまり、 USBでデジタルオーディオをやりとりすることのできるボックスタイプの製品な のだ。その中でも安価な「UA-30」(標準価格:28,000円/税別)を買ってきた。 実売で23000~25000円程度と思われる。 これは、何をするものかというと、Windowsユーザー用(Macもだめ)の製品で、 ・・ 「Windowsにオーディオデバイスを1つ追加するものだ」と言えばWindowsに使わ ・・ れている人にはピンとくる人もいるかも知れない。大抵のAT互換機では、安い PCMオーディオが入出力できるサウンドカード(いわゆるサウンドブラスターと か)をオーディオデバイスとしてインストールしていると思う。これを、USBを 使ってパソコンの外にだしてしまおうという製品なのだ。MIDIとか音源の付加機 能はまったくなしで、本当に44.1KHz、48KHzといった音声をデジタル入出力する ためのボックスで、端子は、アナログLINEのイン/アウト、光デジタルイン/ア ウト、コアキシャル(同軸)デジタルイン/アウト、ヘッドホン端子、マイク/ ギター入力端子といったシンプルにして必要十分な端子を持った、お気楽なオー ディオデバイスなのだ。 X68kだけを使っている人に説明するなら、外付けタイプのまーきゅりーゆにっ とだよ、で済むかもしれないが、ヘッドホンやマイクなどで機能的にはそれ以上 に使いやすい。 USBだから転送レートにはまったく期待できないが、それでもスレッドを増や さないようにすれば、MP3なんかも、2つくらい同時に途切れずに演奏できたり する、というモノだ。どうもファイルアクセスが発生すると、ブチっというよう だが、まあ適度にクリアな音声を吐き出してくれる。一応20ビットAD/DAという ことだが、少なくとも、その辺の安価なボードよりは音質的にはましになるはず だ。 さて、これを使う意味はMP3から生成される44.1kHzオーディオの真の音質チェッ クというものもあったのだが(まあこれは、前回書いたとおりだが)ポートは排 他制御されておらず、というか、ミキシングが可能なデバイスのようで複数の MP3プレイヤーから同時に音を出すと、ミキシングされて聴こえてくる、という ところが新鮮な感じ。 これを、EX68で使ったら? というのが今回の本題なのだが、結論から言って、 FM音源エミュレーションのDLLから「FM波形を直接光デジタルアウトできて しまう」のだ。おそらく、マシンパワーの大小で、音が途切れる人やテンポが一 定しない、という人も相当多いだろうが、例えば、ZMUSICをいじっていて、面白 いFMの音色ができたとする。が、今まではデジタル音声出力する方法は皆無だっ たろう。しかし、これからはデジタルで出してしまえばいい、という事になる。 もちろん、FM音源エミュレータのデバッグモードなんかでWAVE出力ができるのだ とは思われるが、簡便にクリアなFM波形が取り出せるとしたら、結構面白く使う 事ができるように思われる。本格的な音楽用のサンプリングになる、と思わない だろうか? DTMユーザーだったら、そのあたりに興味を持つ人もいるのではな いだろうか。 ちなみにUA-30の使い方だが、標準的なWindows98(セカンドエディション以前 でも可)のセットなら、USBオーディオのドライバは標準でついているし「USBポ ートに繋いでドライバが勝手にインストールされるのを待つだけ」というあまり のお手軽さに、開いた口が塞がらない状態だ。以前、UA-100はどういう使い道が あるか、という事への疑問を電脳倶楽部の記事に書いたことがあるが、確かに転 送の「遅さ」という意味ではあの原稿は正しいが、遅いの除くと、あまりに手軽 に使えてしまう事は脅威だ、という結論で締めくくっておこう。そのうちUSB2.0 に対応したコンピュータが製品化されてくると、簡単接続で速くて使いやすいモ ノが出てくるだろう。 といったところで、今回はここまで。 (EOF)